【本】テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか


テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか

テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか
吉野 次郎 日経BP 2006/12

 日経BP記者による、放送・通信融合の分析。これまで、さまざまな人が語ってきたものの進まない両者の融合の理由を丁寧に解説してくれています。


 ひとつひとつの事実は、関係者に取ってみれば、既知のことなのかもしれません。しかし、それをわかりやすい言葉で、本にまとめてくれたおかげで、テレビ事業の練りに練られたビジネスモデルが、浮かび上がっています。
 Five Force Analysisにあてはめて考えると、下図のようになると思います。
TV業界の構図
 元となるのが、放送免許。これに加えて、電波搭建設などの大型投資が必要となるため、新規参入が制限され、業界内の競争が弱い。この寡占状況が、販売先に対して価格設定力を生み出します。工場では1円単位のコストダウンをしているトヨタが、効果をつめきれずに億円単位の広告料を払うんですね。
 購入先は、タレントを派遣する芸能事務所と、番組制作を担当する制作会社になりますか。ここは、アパレル業界と似て、分裂を繰り返し、零細・細分化の状況にあります(ジャニーズなどの一部例外はありますが….)。よって、安く購入できるのですが、販売先からの超過利潤があるために、逆に「アメ」を与える余力ができています。ローカル局に対しては番組を提供しているのに、「電波料」を払うというのも、その一例かと。
 4千万世帯に一気にブランドを浸透させる代替品は、長らく無かったのですが、最近、GyaoやYouTubeが出てきたということろでしょうか。
 こうして、整理してみると、なんと見事な超過利潤モデルかと感心してしまいます。収益力を下げる5つの圧力(図の矢印)すべてが弱くなっています。
 今後、動きが出てくるとすれば、縦軸ですかね。許認可官庁の考え方が変わるか、代替品の力が増すか。とうわけで、2007年は、「通信・放送に関するタスクフォース」とYouTubeの幹部来日に注目していきたいと思います。

では(^^)/^

【参考】
吉野記者の記事 (日経BP)

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