戦争とサッカー

Der Kreig ist eine bloße Fortsetzung der Politik mit anderen Mitteln.

戦争は(政治的手段とは)異なる手段をもって継続される政治にほかならない。

 Vom Kriege, 1. Buch, 1. Kapitel, Unterkapitel 24 

昔、クラウゼヴィッツの名言を読んだ時には、なぜ、戦争が政治の延長線上にあるのかピンときませんでした。しかし、オランダに住んで、ウクライナ戦争とワールドカップを同じ年に体験すると、腑に落ちてきました。

 ひとつには、複雑な国際政治です。日本にいると外交はOne to one なのですが、欧州ではつねにMany to many。ひとつの隣国との関係を変えれば、たちどころに残りの二十数カ国との関係が変わります。近隣で戦争が始まれば、対岸の火事と傍観することは不可能です。

 小国がこれほど密に存在していれば、常にどこかで争いは起こっています。最後の実戦は(沖縄戦を除けば)西南戦争?という平和な国とは違います。

 もう一つは、国家間の戦いは、これほどまでに国民を興奮させることです。視聴率を見ていればあきらかですが、何千キロ先で行われている蹴鞠が40%もとってしまうのは、国対抗であるがゆえでしょう。

 なにゆえサッカーが一番興奮するのかとも思いますが、コンタクト・スポーツの団体競技であることが大きいのだと推測します。ラグビーもそうですが、戦争に近いのでしょう。

 アムステルダムのような多国籍な都市にいると、昨日の相手国の人と翌日会ったりします。こんなにエネルギー使うのですから、4年に1度がちょうどいいのでしょうね。

では。