BOJルール

円が戻りました。実効為替相場で確認してみましょう。これまで何度か投稿してきましたが、繰り返します。

  1. 外国為替は金利差で決まるが、日本は例外
    スウェーデンとノルウェーの間で金利差があると為替に響きます。隣の国車で買い物に行ってしまうので、中央銀行は、為替がおかしなことにならないように金利を調整します。なので、よほどのことがないと欧米の為替は一定のレンジ内に収まります。上図のEURもUSDも±20%ぐらいのレンジに収まってますね。
  2. 日本の特殊性
    日本は、これだけの経済規模なのに、30%近く上振れ、下振れします。海に囲まれて裁定が効きづらいのでしょうね。それでも、80年代にあった一方的な上昇トレンドのようなものは、30年前に終わっています。幅は広くてもレンジになったと考えるべきでしょう。
    なぜか、日本円だけは、政治が決めるということは覚えておいてよいと思います。財務省が介入し、米国の有力社が円安を叩くと、相場が反転するのです。情けないことですが。
  3. 自分の目で確かめることが重要
    オランダから日本に帰国するたびに、日本円が安すぎるのは明らかでした。このようになると、構造的な変化が起こったとかいう人が出てきますが、為替は複数国の間の交換比率なので、そう簡単に壊れません。アルゼンチンやトルコのようにならなかれば。
  4. 黒田総裁の罪
    明らかだと思います。これほど後輩の金融政策の手足を縛る政策を総裁はすべきではありませんでした。これからも、借金すればすべて解決する的なことを言う人は出てくるでしょうけど、歴史に学び続けることだと思います。
    特に、日本の世界的な地位を必要以上に貶めたことは、反省すべきです。人口が多い、中国やインドにGDPが抜かれるのは、「ノーマライゼーション」でしょうけど、ドイツに抜かれる必要はありませんでした。
  5. BOJルール
    日本人の判断の遅さは、有名ですが、今回の利上げは遅すぎでした。他国の利上げが効き景気後退が始まるころにやっと日銀は利上げするので、日銀利上げ→世界不況(サームルールならぬBOJルール?)と揶揄されています。

金融政策は、通貨の価値を安定させることに戻し、景気は、我々が頑張って良くするという基本に戻るべきだと思います。