
リアライン: ディスラプションを超える戦略と組織の再構築
献本していただきました。著者はオックスフォード大学のサイードビジネススクールの教授。前作の『Align』(2020) をコロナを越えて、どのように考え直すのかが書かれています。
「リアライン(Realign)≒再構築」とは、事業戦略や組織の体制の最適化です。読み終わって「整体」に感覚が近いと思いました。身体の各パーツは、それぞれの機能を果たしています。それでも、なんとなく具合が悪い場合、背骨の歪みを直してもらうと、シャッキとするようなことではないかと思いました。
パーパスとか戦略とか大上段に構えた議論が苦手で、芸の細かい日本人には受けるのではないでしょうか。日本企業は、リアラインから初めた方が、根本的な戦略の歪みが全社で共有されやすいのではないかと思います。
はじめに
第1章 戦略的アラインの概要
1.1 どこかで聞いた話?
1.2 戦略的アライン
1.3 戦略的アラインが実現した企業内バリューチェーン
1.4 アラインがパフォーマンスに直結するなら、ミスアラインはリスク
1.5 アラインによって混乱を乗り越え、業績を向上させる
第2章 戦略的リアライン
2.1 必要は発明の……いやリアラインの母
2.2 戦略的リアライン
2.3 戦略的リアライン、リーダーシップの課題
2.4 戦略的アラインフレームワーク
2.5 戦略的リアライン、リーダーシップの機会
第3章 企業パーパス
3.1 なぜ企業パーパスが必要なのか?
3.2 企業パーパス
3.3 企業パーパス、リーダーシップの課題
3.4 パーパスによって企業を導く
第4章 事業戦略
4.1 戦略とは、何の戦略か?
4.2 事業戦略
4.3 事業戦略のアライン、リーダーシップの課題
4.4 戦略的アラインフレームワーク、事業戦略
4.5 事業戦略のリアライン、リーダーシップの機会
第5章 組織ケイパビリティ
5.1 正しい意図、誤った実装
5.2 組織ケイパビリティ
5.3 組織ケイパビリティのアライン、リーダーシップの課題
5.4 戦略的アラインフレームワーク、組織ケイパビリティ
5.5 組織ケイパビリティのリアライン、リーダーシップの機会
第6章 組織アーキテクチャー
6.1 得体が知れない
6.2 組織アーキテクチャー
6.3 組織アーキテクチャーのアライン、リーダーシップの課題
6.4 戦略的アラインフレームワーク、組織アーキテクチャー
6.5 組織アーキテクチャーのリアライン、リーダーシップの機会
第7章 経営管理システム
7.1 戦略的でもなければ統合されてもいない
7.2 経営管理システム
7.3 経営管理システムのアライン、リーダーシップの課題
7.4 3つの経営管理システムの再設計にまつわる物語
本論から外れて面白かったのが、日本語版への著者のインタビュー。聞き手が、日本の独自性について触れた時に、複数回に渡って著者が否定する下りがあります。これこそ、日本が世界で最もハイコンテキストな証だと思いました。
著者は何度も来日し、日本企業のコンサルティングをやっている実感として、他の国と経営に差がないと感じているのでしょう。しかし、世界一空気を読む日本人(の企業エリート)は、オックスフォードのビジネススクールから白人の教授が来た瞬間に、話し方から何から「絶対核家族」(グローバル)仕様に切り替えられるのです(笑。
私も日本人と英語で話しているうちは、日本企業の行動が他の国と変わらないと思える瞬間があるのですが、居酒屋で日本語になった瞬間に、こりゃ違うと思うのでした。
もう一度、中期計画をやりなおすとか、海外事業の戦略を見直す場合には、おすすめです。
では。