リスクに背を向ける日本人 (講談社現代新書)
山岸 俊男 メアリー・C・ブリントン 講談社 2010/10
日米の教授による日米比較社会論。『安心社会から信頼社会へ』の山岸教授と、ハーバード大学社会学部教授との対話。
日本人のリスク回避傾向についての議論です。その理由は、日本のほうがアメリカよりリスクが高いと分析。特に労働市場で「セカンド・チャンス」がないため、多くの日本人が「リスク回避行動」を取るとされています。
単純な労働市場分析だけではなく、山本七平の話などの文化論も出てきます。
印象に残るのは、第5章の言葉で解決するくだり。マタニティーマークが日本的だとは気づきませんでした。p.145
直系家族を感じるのは、教授に部屋を貸した話。p.212 ひとつひとつの事象を分けてロジカルに処理しようとするアメリカ人。人と人との長期的な関係の中で事象を位置づける日本人が鮮やかに描かれていました。
Amazonの書評を読む