受験シーズンですね。
いまから20年前。まだ、パソコンも携帯も学生が使えない時代でした。
- これからは英語だと思ってESSに入り
- これからはコンピュータだと思ってブラインドタッチを覚え
- これからはアジアだと思って経済発展論のゼミを選びました。
それから20年。
- 英語の普及は想像以上でした
あんなにドイツ語頑張ったのは何だったのでしょう。 - コンピュータはインターネットとつながりました
もはやスマートフォンを手放すことはできません。Facebookは革命すら引き起こしています - アジアの躍進も想像以上でした。
まさか、こんなにあっさりと中国にGDPで抜かれるとは…
私の予想は、方向は合っていたのですが、そのスピードを見誤っておりました。しかし、最も驚くのは、日本がこれほどの停滞したことでした。20年後を予測するのは、本当に難しいですね。
さて、いまから20年後の世界に生きる子どもには、どんな教育を与えればよいでしょうか。最初に考えるのは、
日本で生きるのか。海外で生きるのか。
でしょうか。
日本で生きるなら、早い段階からお受験して、学歴を高めるべきでしょう。昭和46年のOECD教育調査団の分析は、20年後も有効でしょう。日本は学歴によるカースト社会であり、生き延びるためには、学歴が必要です。日本の受験で成功するには、短時間に回答をマークする力が必要です。正解がある(とされる)問題の答えを暗記し、単純作業を反復する力をつけるべきです。
これは、いくつかの不安要素があります。第1に、日本の国力が相対的に落ちているであろうことです。人口ボーナスはとうの昔に過ぎ、人口オーナスの時期になります。日本もちょっと前までは、自国経済に絶望し、移民が出る国でした。
第2に、コンピューティングの発達です。Google Translateは衝撃でした。スマートフォンに日本語で話しかけると、瞬時に英訳され、端末が読み上げる。これが無料です。20年後はマイノリティ・レポートのようなことになっているのではないでしょうか。テレパシーでコマンドを送ると、目の前にディスプレイができて、情報が表示される。そんな時代に「いいくに作った鎌倉幕府」とか覚えて何の意味があるでしょうか。
第3に、高学歴化。私の父の世代は、まだ高卒が一般でした。私の世代は修士が珍しくありません。子供の時代には博士やダブル・ディグリーが珍しくなくなるのではないでしょうか。エスカレーターで大学に行けたとしても、あまりに早く受験で燃え尽きてしまうと、逆効果になりかねません。
一方、海外で生きるのであれば、語学力、自由な発想力、異文化を理解する力、リーダーシップ、コミュニケーション能力などが必要になります。学歴を極める場合と反対方面の力であり、日本の受験システムの中では育まれないのではないでしょうか。
こうして考えると、教育はリスクの高い投資ですね。20年後を予測しないと、リターンがあるかわからないにもかかわず、結構なお金がかかります。ひらがな教えるのも大切ですが、将来を予測するのも大切だと思っております。