昨年に引き続き発表されました。やはり、金融恐慌関連が上位にきてますね。
1.資本主義は嫌いですか 竹森 俊平
『1997年 世界を変えた金融危機』は昨年の4位でしたが、今年はトップ。今年は、本当に『不確実性』を考え直す年でした。
2.現代の金融政策 白川方明
金融政策の教科書としても優れており、最新の話題もカバーしていました。白川さんは、就任以降、利下げから始めることになりましたが、来年を占う上でも必読の本でした。
3.大暴落1929 J.ガルブレイス
今年のランキングを象徴する本。初版は1955年ながら、日経BPクラッシックスとして今年再登場。みごとに3位になりました。
3.なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか チャールズ・R. モリス
5.すべての経済はバブルに通じる 小幡績
行動経済学の視点から、リスク・テイク・バブルの形成、崩壊のメカニズムを明らかにしてくれました。金融機関のインセンティブ設定について、根源的な見直しを迫る本になっています。
6.暴走する資本主義 ロバート ライシュ
オバマ政権誕生で、また、違った重みを持ちましたね。
7.市場リスク 暴落は必然か
2009年は、規制強化の年になりそうですが、蜜結合で複雑なシステムには、規制が逆効果になるというメッセージは、参考になります。ゴキブリのたとえが、響きました。
8. なぜグローバリゼーションで豊かになれないのか 北野一
昨年の「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」(2位)に続いての入賞。上期のランキングでは、5位でした。
11. さらば財務省 高橋洋一
上期は3位でしたが、トップ10圏外へ。量産が票の分散になったのでしょうか…。
13.エコノミストたちの栄光と挫折 竹内宏
鈴木さんのコメントが、引用されているのが涙だったりします。
15.日本は財政危機ではない! 高橋洋一
日経のやさしい経済学で連載も始まりました。何かと暗い2009年には、今井先生のお話が似合いますね。
23. ランド 世界を支配した研究所
国際政治の厳しさを実感させてくれる本でした。『CIA秘録』とセットでどうぞ。
23.
日本経済を襲う二つの波 リチャード・クー
日銀総裁の本が2位なら、麻生さんのブレインの本は、もう少し上にいってもよさそうですが…。
竹森さんと、小幡さんがインタビューされていましたが、サブプライム問題を理解する意味では、タレブさんにも、インタビューしてほしかったですね。
28. 下村治―「日本経済学」の実践者
地味な本ですが、上期に続き、しっかりランクイン。下村博士は、サブプライム問題を20年前に予言していました。
51.ハイエク 池田信夫
野口教授は、アメリカが世界に誇るのは政治システムだとおっしゃってますが、それを実感できる本。ケニアとアメリカ人のハーフが日本の首相になる可能性は?
51. 世界を不幸にするアメリカの戦争経済 スティグリッツ
51. CIA秘録
これも、もっと上ですね。この本を読んだ後だと、オバマ大統領への政権移行時に何が行われているか。イスラエルのガザ侵攻の裏に潜む意図は何かを考えるようになります。
51. アンディ・グローブ
88. クラウド化する世界
88.闘う経済学
この本がこの順位というのも、時代を感じるものであります。
では。
>> 東洋経済 2009年上半期 経済書Best 20 を読む
>>「2008年上期 経済・経営書BEST 100」を読む