直島(Wikipedia)は、岡山県玉野市の南に約3kmにありながら、香川県に属する14平方km小さな島(地図)。人口3500人。1916年三菱マテリアルの銅製錬所を受け入れたことで島は潤ったが、その後、煙害に悩むことにもなった(産業廃棄物で話題になった豊島が隣にある)。
石油ショックで精錬所が競争力を失い、瀬戸大橋開通(1988)でヒト・モノの流れが変わると、直島の人口も減っていった。
島を文化的な場所にしたいという直島町長と福武書店創業者、福武哲彦氏の意見が一致し、以下のような開発が進んだ。
1989 安藤忠雄氏の企画で、研修所・キャンプ場がオープン。
1992 「ベネッセハウス」(ホテル・美術館)
「家プロジェクト」 無人の古民家を買い上げて、美術作品として再生
2004 「地中美術館」
かつては、宇高連絡線でにぎわった宇野から、四国汽船に乗って直島に向かう。乗船して驚くのは、外国人の多さ。国際空港からこれほど遠い小島に、世界から観光客がくる。しかも、誰もがインテリ風。卓越した美術館が、上質の客層を世界から引き寄せている。
15分ほどで、宮浦港に到着。港には、直径7mもある赤かぼちゃが…。2006年の世界文化賞絵画部門受賞者、草間彌生氏の作品。島には、このようなオブジェが点在し、島全体をアートしている。
船から降り、2006年に完成した「海の駅なおしま」のビルへ。非常に美しく、うどんも、お手ごろな値段でおいしい。
島には町営バスがあり、車がなくても島を満喫できる。終点の地中美術館に到着。地の利を生かした斬新な空間になっており、リピーターを飽きさせない。晴れれば、窓から見える瀬戸内海が美しい。
本村地区に戻ると、若手アーティストがリフォームした民家が点在している(地図)。地図を片手にアートを楽しみながら、町めぐり。ちょうど、1日で楽しめるし、次回は泊まってもいいなぁと思う島になっている。
【成功要因】
・孤島というハンデを逆に生かして、一般の世界から断絶した空間を作ったこと。
・ベネッセの投資
・住民(行政)の協力
【参考】
・ベネッセアートサイト直島のホームページ