プラハ空港で、外国為替相場表をみていると、ユーロを採用していない欧州の国が少なくないのに気づく。旧東側の国が多いのも、ブリュッセルとの距離感を感じる。
それにしてもロシアのスプレッドはひどい。世界を見渡しても旧宗主国のスプレッドは、それなりにシャープなのだが、最悪というのは笑えない。
チェコの貿易相手国のランキングをみても、ロシアはトップ10に入ってこない。輸出入ともドイツが首位。チェコはエネルギーの3割を原子力に頼っており、ロシアの資源に依存していない。
家族類型の違いで、社会主義と肌が合わなかったのだと、一人で納得した。ロシアは共同体家族。親が権威的で、子供を平等に扱う。チェコは日本と同じ直系家族。権威的な親は同じだが、長男を優遇する。共同体家族の地域と社会主義国が重なるのはよく知られている。権威的な政府と、結果平等を受け入れる土壌が、社会主義と合うと推定される。
第二次世界大戦の結果、直系家族なのに、東側に組み込まれてしまったのがチェコスロバキアだった。父親から息子に10年単位で技術を継承し、高度なモノづくりにプライドを持っていたチェコ人にとって、コルホーズでどう働こうと同じ給料というのは、受け入れ難かったのではないだろうか。