NiziUと家族類型

NiziUのMVが1億回再生されてますね。

家族類型からみても、興味深い事例です。

日本と韓国は、同じ、直系家族地域。親が子供より偉く、長男が家を継ぎます。権威主義的で、先輩の言うことに従うため、マスゲームのような全員そろえる系統の演舞は、もともと得意でした。戦後の日本もSKDのラインダンスのようなところからダンスは始まったと思います。

しかし、アメリカの占領は、大きな影響を芸能界にも与えました。仕事といえば、米軍キャンプにしかないような時代。美空ひばりが、ジャズを歌う。プレスリー、ビートルズ、マイケル・ジャクソンに影響された芸能人が出るのは、自然な流れです。

アメリカは、絶対核家族的な文化。親子関係がフラットで、子どもたちもバラバラ。自由な演技、個性が重要視されます。これは、日本の芸能界も、それに倣いました。しかし、「本家」はかんたんに超えられません。しかし、日本は市場が大きかったので、先生の優秀な生徒であれば、それなりの成功を収められました。

韓国の市場は、日本ほど大きくなく、最初から海外に目を向けなければなりませんでした。国の外に出ると、アメリカと並べて比較されてしまいます。自分の良さは何なのかを考えざるを得なくなります。その結果、たどりついたのが、刀群舞(カルグンム)だったのでしょう。一糸乱れぬ統制は、世界から喝采を浴び、ビルボードを駆け上りました。

Nizi プロジェクトの応募数が、1万人という数字に唸りました。芸能人を目指すコンテストであれば、普通の数字でしょう。しかし、刀群舞のガールズ・グループを目指すのであれば、まずは、自分の個性を殺し、周囲に合わせるダンスを数年に渡ってトレーニングしなければ、到達できません。それが格好いいという助成が、数十万人規模でいないと、この数字にならなかいからです。

日本の音楽業界は、日本人が何が得意なのか、見えていない部分もあったのではないでしょうか。日本には、K-POPのダンスができる人がこれほどいて、JPYの元で半年指導をうければ、韓国人以外のグループでも、ちゃんとTWICEにしあがると。

自分の文化を知るということは、大切なことですね。

では。