久保 惠一 日本経済新聞出版社 2018/6
公認会計士による東芝の決算分析。『失敗の本質』は、失敗を語る企業が無かったため、分析対象を日本軍にしたと聞きました。その傾向は、今も続いており、こうした失敗が公開された時のみ、他人が失敗に学ぶことができます。
会計に携わるものとしては、最近の会計ルールについて学ぶことができます。そうでない方には、複雑過ぎるでしょう。
一方、企業経営の視点から見れば、現場が優秀すぎて、トップが判断を誤っても、しばらく対応できてしまうという日本の組織の特性が再現しています。よく悪くも東芝は、優秀でした。これだけ複雑な会計処理を、全社でやり通したというのは、ガダルカナルを思い出します。
改めて、直系家族の悪い面を見たことになりました。直系家族な組織の命運は、トップの選び方にかかっているわけですが、どうしたらいいいんでしょうね。キッコーマンのような御三家制度。オムロンのような幹部養成がヒントになるでしょうか。少なくとも上場企業については、単純な後継指名では済まない時代になったと感じました。
では。