文春新書 安田 隆夫 2015/11
ドンキ・ホーテ創業者の経営論。シンガポールの商業施設内に「東南アジア1号店」を今冬オープン というので、読んでみました。
一言で言えば、逆張りの経営で、ウォルマートとは全く別のやり方で、成功したのがわかります。夜市場の開拓、権限委譲、圧縮陳列など、今、言われれば、そのとおりなのですが、当時、そんな逆張りをするのは相当なリスクだったはず。流石です。しかし、それは苦難の連続でした。
そのたびに、もがき苦しみ、唸りながら、考えに考えた。それは冷静に理詰めで考えるなんてもんじゃない。はらわたのそこから振り絞るようにして、なんとか生き残るための活路を必死で考える。p.6
圧縮陳列、POP洪水も、苦肉の策として生まれたのがわかります。
日本企業の特徴として、ボトムアップがありますが、同社ほど、権限委譲ができている会社はないのではと思うほど、現場に自主性を求めていました。
権限委譲によって、仕事が労働(ワーク)ではなく、競争(ゲーム)に変わった p.79
その基本ルールは、こちら。
- 明確は勝敗基準
- タイムリミット
- 最小限のルール
- 大幅な自由裁量
そんな安田さんも、常に積極展開してきたわけではありませんでした。バブル時には、様子見を決め込みます。p.85
まじめで能力と才能にも恵まれているのに、なぜかびじねすでうまくいかない人がいる。そんな人は、私に言わせると「見」ができていない。つねに全力疾走でいると、危険を知らせる微妙な変化にも気づかないのだ。p.86
非常に参考になりました。