【本】明治維新 司馬史観という過ち

明治維新 司馬史観という過ち

原田 伊織 森田健司 悟空出版 2017/10

明治期の教科書の記述を批判した本。江戸末期から明治にかけては、明治政府の視点で歴史が書かれており、批判的に検証する必要があるとしています。

 学術書ではありませんので、本書も批判的に読まなければならないのですが、以下の点は、参考になりました。

幕府は、海外情勢をかなり把握していたこと。
幕府は、ペリーにうろたえていないこと。
条約締結は、十分な交渉をしていたこと。
明治政府を支えたのは、旧幕臣だったこと。
欧米列強で、日本を植民地にしようと明確に企図していた国が見当たらないこと。
 日本は分権的な統治下にあり、戦争となれば、それなりの犠牲が出ると予測している。
松下村塾を世に出したのは山縣。

などなど。

歴史を見る時には、複数の眼が必要とよくわかりました。