【本】IGPI流 ローカル企業復活のリアル・ノウハウ

IGPI流 ローカル企業復活のリアル・ノウハウ

冨山 和彦  PHPビジネス新書 2016/2

地方企業の経営改善本。銀行と企業とのつきあいといっても、都銀-大企業と、地銀-地方企業では、全く違うのが、具体的にわかります。

まず、ローカル企業は、伸びシロが大きい。

 ローカル企業や中堅・中小企業の生産性の低さは、経営力の不足や経営人材の薄さに金している場合が少なくない。p.34

大事なことは、

 自らの絶対優位、比較優位を見極めて、ちゃんと生産性の高い仕事をし、しっかりと収益を上げ、その上昇分を賃金と将来投資に回す好循環を創り出すことである。p.35

地道な努力が重要とし、

「分ける化」「見える化」して、業務、事業、商品ごとの収支の改善努力を行い、儲かることを一生懸命やり、儲からないことは儲かるように改善するか、それが難しければやめる。p.38

特に、地方の企業は、取り組みが容易で、改善効果が大きいLow Hanging Fruits の宝庫としています。p.43

第4章には、業種別の改善事例がまとめられています。外食産業が、付加価値が高く、卸が低いというのは、損益計算書を分析できないと気づかない点ですね。
外食産業は、店舗の密度により、物流効率、管理効率に差が出る。オペレーション改善が効く。
卸売業は、きめ細やかな見える化。構造的に利幅が薄く、数%の仕入れ価格の変動で赤字に陥る。製品別、販売先別、仕入先別、拠点別のABC分析を行う。
第6章は、金融機関とのつきあいかた。株主が、身内であることが多いので、厳しい意見を行ってくれる債権者を選ぶメリットを説いています。

では。