私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる
ちくま新書 (723) 梅田望夫 2008/5
梅田さんの最新作。ウェブ進化論で紹介された羽生名人のコメント、「ネットの普及がもたらした学習の高速道路と大渋滞」を乗り越える手段として、「私塾」の可能性を議論しています。ブログ空間を現代の私塾としてとらえているのですが、それで渋滞を乗り越えられるのは、ほんの一部でしょうね。
印象に残るのは、オプティミストというイメージのある梅田さんのこちらのコメント。
僕は基本的に、ものごとというのは、だいたいのことはうまくいかないという世界観を持って生きていますね。(中略)自分と合う人と出会うのは、砂金を探すようなものだと思うんですよ。p.132
ネットでは不特定多数の人とさまざまなコミュニケーションを試みる一方で、リアルでは、会う人を限定する。様々な割り切りをすることで、エッジを立てているわけですが、著者の冷徹な意志を感じました。
ロールモデルと座右の書をメモしておきます。
梅田 | 齋藤 | |
ロールモデル |
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座右の書 |
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40歳というのはひとつの転換点であって、それは何かを取り、何かをあとに置いていくことなのだ。と、そして、その精神的な組み換えが終ってしまったあとでは、好むと好まざるにかかわらず、もうあともどりはできない。(遠い太鼓 p.16)
大学時代に、ノルウェーの森にお世話になりましたが、遠い太鼓は読んでませんでした。まさに、そういう気持ちに私もなっております。
では。
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