生島 淳 文藝春秋 (Sports Graphic Number Books) 2015/8
ラグビー日本代表ヘッドコーチのインタビュー。人種文化の違うメンバーを観察し、最大限の能力を発揮させるヒントが詰まった本でした。
たとえば、第1章 コーチングはアートである.
コーチとしては、上位10%にいる選手のことはあまりケアをする必要はありません。常に期待通りのパフォーマンスをしてくれますから。では、集団を強くしようとするなら、どうするべきなのか?下位の10%にいる選手たちを、中位集団に引き上げていくのです。そうすれば、1~2の評価の選手を5%にまで減らすことができる。私はそれを常に目標としています。p.16
日本人のメンタリティーについては、第3章。
日本では『この仕事をしっかりやりましょう』と、全体像を提示することなく、一部のパーツを任されることが多いのではないでしょうか。そして、その仕事が全体像のなかでどんな意味を持っているのかを理解しようとしない。パーツできれいに仕事をこなせば、ほめられるので、『次』のことを考える習慣がないんです。p.61
第5章でサントリーの選手に触れたくだり。
私は、選手一人ひとりに『あなたの強みは何ですか?』と質問したんです。そうしたら、みんな判で捺したように、自分のできないことを3つぐらいあげるんです。p.92
コーチングで参考になったのは、p.141。
能力のないコーチは、オプションを提示しすぎるんです。選手に決断を促すのではなく、迷わせてしまう。
勉強になりますね。では。