Michele Boldrin エヌティティ出版 2010/10
「知的財産権」は知的独占(intellectual monopoly)だから、廃止すべきという本。通常の事業会社にいると、とんでも本のようなに見えるでしょう。しかし、音楽、本など、デジタル化の進展著しい分野で、知財をめぐるゴタゴタが続いているため、社会全体からみた場合の知財の弊害について考えるには好著です。
私も、知財の保護が、技術者のモチベーションになっていると信じていましたが、本書であげられる様々は反証はなかなか強力です。
一企業としては、Rent seekingが起こるため、知財にはスタッフを配置し、全力で戦わなければなりません。しかし、それが社会の技術革新を「促して」いるかは、実は、議論が少なかったのではないでしょうか。
音楽で起こった論争が、本でも展開されている今日、もう一度、知財についても考え直したいですね。
では。