Brexit を大英帝国の終焉とか、若者が反対しているのに高齢者が離脱を指示してシルバーデモクラシーとかいう論調を見かけました。シンガポールから見ていますと、長期的に見れば塞翁が馬なのではないかと感じております。
シンガポールは東京23区の大きさしかありまへん。よって、多摩川を超えて川崎に行く感覚で海外出張があります。入国審査、為替などやたら不便です。なので、EUがそうしたコストを下げるために統合を進めた気持ちは、よくわかります。戦後50年ぐらいをみれば、欧州の復興が経済成長エンジンの一つでした。英国が欧州大陸のアクセスを確保するのは国益にかなっていたはずです。
一方、2030年までの世界経済を見れば、アジアの時代が来るのは確実です。しかし、いかんせん、英国はアジアから遠い。シンガポールからロンドンは飛行機で13時間。時差も8時間で時差ボケ全開になります。現在の延長上で対応できる距離でなく、何か思い切った政策転換が必要です。
ふと気が付くと、育ち盛りのアジア国は、大英帝国メンバーでありました。インド、ミヤンマー、マレーシア、シンガポール、中国(香港)。英国に必要なのは、脱欧入亜なのであれば、欧州統合にかけるエネルギーを節約し、大英帝国に振り向けるというのは、悪くない手ではないかと。投票した人は、そんなことは考えてなかったかもしれませんが。