火花 又吉直樹 文藝春秋 2015/3
ダビンチを読んで、購入。小説を読むのは、久しぶり。シンガポールの実業の世界にいたので、日本語の美しさとは何かを考えながら読みました。
英語でビジネス・コマンドを送る毎日を送っていると、日本語の細やかな表現を再発見します。先輩後輩の上下関係、その奥さん、子供など、社会的な背景+その時の心理状況によって、様々な表現が使われます。
小説は、文字による表現ですが、音楽が響いてくる作品でもありました。アフリカに行った時に、言葉よりも音楽ができたのが先だと思ったのですが、現代の日本語小説においても、言葉が内包するリズムがあるのを感じました。
プロの世界で尊敬されるような笑いが、必ずしも世間には受け容れられないこと。差別表現ギリギリに撃ちこむから、大きな笑いもとれること。異文化の中では、できるだけ遠ざけてきた話題です。お客さんが共通で持っている文化・情報あってこそ、思い切った球を投げれるのですね。他国、他言語で笑いが取れたら、やはり超一流と思いました。
では。