【本】日本既成権力者の崩壊

日下公人 李白社 2012/2
日下先輩の最新作。

2012年は大変化と大動乱の時代になると思う。
誰にとっての変化かと言えば、それは今までの中変化、小変化の波を乗り切って地位を築き、資産や名声を得た人たちで、エスタブリッシュメントと呼ばれ自信に満ちた人たちである。p.1


とのっけから、エンジン全開です。以下、エスタブリッシュメントへのダメだし。

アナロジーのうまい人は政治家のトップや経営者に向いている。p.26

今の日本人はお金を配るのは下手で、配る能力がない。それはサラリーマンの過程に育ったサラリーマンの秀才だからだ。p.76

 野口は米国に渡る前にせっかくもらった奨学金を横浜で全部使ってしまった。お金がなくなった野口は奨学金を出してくれた人に「すみません。飲み台に使ってしまいました。もう一回出して下さい」と頼んだ。すると、「男は遊びもできないようではダメだからな」と言ってまたお金を出してくれたらしい。p.77

復興については、フランソワ・ケネーの言葉。

町が破壊され、工場が焼かれたのを見るともう終わりだと思うが、しかし考えてみるとそれらは償却資産だから実損はざっと見てその半分である。それに対し、従業員の技術や経営者の信用や市場に対するブランド力や町ぐるみの自信などのソフトは100%無傷で残っている。p.131

 後藤新平への批判も忘れていません。p.121
官僚については、

関東は武士の文化、関西は商人の文化で、東京の大卒は権力の行使にあたって謙虚さがない。p.152

そして、何をスべきは、また、まえがきに戻って考えるのでした。

では。