シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略
What’s Mine Is Yours by Rachel Botsman、Roo Rogers
日本放送出版協会 2010/12
所有ではなく必要な時に利用できることに価値を置く「シェアリング・エコノミー」が起こっているとする本。コンセプトは聞いたことがあるものですが、具体例を知るのはとても有益でした。
最初に出てくるのが、airbnb.com 部屋を旅行者に貸し出す仲介サイト。印象に残るのが世代別の受け止め方。ある世代は、旅行=ホテルと考えるが、その上の世代は、旅行=親戚の家に泊めてもらうということであったこと。我々はもともと「シェア」していたんですね。
大量消費の例として、「太平洋ゴミベルト」が紹介されています。
Part IIでは、Collaborative Consumptionについて議論しています。Collaborative Consumptionの4原則は、「クリティカル・マスの存在」「余剰キャパシティの活用」「共有資源の尊重」「他者との信頼」。
この「シェア」を後押しするのが、インターネット(Social Network)。ノーベル賞を受賞したRonald H. Coase transaction costの考え方を紹介して解説をしています。p.164
取引コストが低減することで、大衆消費(個人の所有)が可能になった。大量消費の影の部分を消費者が意識することで、共有の価値が見直された。インターネットによるさらなる取引コストの低減で、効率的な共有が広まるようになった。次は、どこに行くんでしょうか。
では。