横山信弘 フォレスト出版 2016/12
営業コンサルタントによる指南書。私もだいぶ年を取りまして、昔の感覚で営業してはダメだなと反省いたしました。個別テーマについては、まとめ方、伝え方が洗練されていて、参考になりました。
この手の本だと、ノルマを達成するまでの常人離れした努力が並ぶことが多いのですが、たとえばある営業職。
彼女に関しては時間外労働をいっさい認めませんでした。必ず日中でお客様を回りきり、帰社し、短時間で上司に報告することを義務付けました。p48
合理的に、いかにして目標を達成するかに努力を絞っています。重要なのは、
自分が何をどれぐらいすれば、どのようなリターンがどのくらい戻ってくるか。そのコンバージョン率が「概算」できるか、ということだけなのです。p.53
細かなテクニックではなく、概算力が重要としています。
来年の3月までに新規のお客様で1億円作ろうとしたら、100万円の仕事を100個作らなければならない。そう考えたら2000社集めて1000人以上のキーパーソンと名刺交換し、500社と商談して、200社に具体的な提案をしなければならない。p.169
顧客との関係作りは、P.142。
自分の思うように進めたい(Leading)になるためには、次の2つの段階を経るとしています。
- ペーシング:相手から信頼されるプロセス
- ラポール: お互いが相手の心を探ることがない状態。
ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線を紹介し、迅速な対応を説いています。
人間は20分経つと42%、1時間経つと56%、1日経つと74%忘れる。
無駄な努力を避けるために参考とする概念として、最低必要努力投入量(Minimum Effort Requirement)にも触れています。
顧客管理で参考になったのは、予材管理の考え方。予材(予定材料)とは、顧客からの潜在受注です。これを目標の2倍積み上げることで、目標を確実に達成するのが予材管理のポイントです。
- 見込みとは、ほぼ確実に受注できる案件。(コンバージョン率100%)
- 仕掛りとは、受注確率は関係なくお客様が認識している全て(同30%)
- 白地とは、営業が勝手に立てた仮説(同5%)
大量行動によって、接点を増やします。顧客との接触も、無駄な動きは排除します。
- 種まきとは、最初の接触
- 水撒きとは、単純接触。あいさつだけ、名刺を置くだけなどなのですが、一ヶ月に1度でも5ヵ月通うことで温まってくるとのこと。
営業は、大切ですね。 では。
参考