繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)
The Rational Optimist
How Prosperity Evolves
Matt Ridley
早川書房 2010/10
The Economist のサイエンス・ライターを務めたジャーナリストの文明論。200年前から常に存在する「悲観的未来予測」が、まるでアテニナラナカッタことを教えてくれます。
著者は人類の生活レベルを上げた原動力を交換と分業と考えています。たとえば価格(p.43)
モデルT 825ドル(最初)→575 (4年後)
当時は4700時間働かなければ買えなかったが、今は1000時間で普通の自動車が入手できる。
アルミ 545ドル/ポンド(1880年代)→ 0.2ドル (1930年代)
こんなに急激に価格が下がった時代もあったんですね。
p.86以降では、物々交換の起源と影響を分析しています。霊長類に「互恵的行為」は一般的に認められるが、チンパンジーに物々交換を教えるのは難しい。
分業についても、狩猟採集民社会を観察し、人類が男女が専門化し、食べ物を分かち合うことを指摘しています。
では。