グレート・リセット
The Great Reset by Richard Florida
早川書房 2011/ 1
『クリエイティブ・クラスの世紀』、『クリエイティブ都市論』のフロリダ教授の最新作。経済危機が次の時代への「リセット」を生むという話です。
過去150年の3つのリセットは、次の3つ。
- 1873年 長期不況: 工業経済へ
- 1929年 大恐慌: 大量消費・郊外居住(車社会)
- 2008年 サブプライム危機: クリエイティブな経済
こういう話はあちこちで聞きますが、印象に残ったのは、こんな一言。
発明されたからアメリカの家庭で普及率が75%に達するまでに最短時間だった商品は、白黒テレビに次いでラジオが2番目だ。しかもラジオの場合、急速普及の後半3分の1は、大々的な金融危機のさなかだった。p.54
転換期には、value propositionが厳しく見直されるのでしょう。
経済史家のアレグザンダー・フィールドは、1930年代は20世紀のなかで「最も技術が進歩を見せた時代」だと、雑誌論文で位置づけている。p.45
では、どういう分野が伸びるのか。
成長しえいる職種には、2つのジャンルがある。ひとつは、知識をベースにした専門的でクリエイティブな仕事で、高い報酬が得られる。(中略)もうひとつは、高い給与は期待できないが、日常的なサービス経済関連の仕事。たとえば、飲食店、看護補助、清掃、在宅介護などだ。p.186
前者は、これまでの著書でも触れてきているが、私には後者が伸びているのが新鮮でした。
都市の話は、ピッツバーグを取り上げています(第12章あたり)。
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参考