クリエイティブ都市論
Who’s Your City?
How the Creative Econy is Making Where to Live the Most Important Decision of Your Life
by Richard Florida ダイヤモンド社 2009年2月。
トロント大教授による都市経済論。The Rise of the Creative Class、The Flight of Creative Classに続く第3弾。
前著では、創造的な仕事をする科学者、研究者、芸術家、音楽家、デザイナー、エンジニア、知識産業などの職業人を「クリエイティブ・クラス」と定義しました。
本書の要旨は、先日ご紹介した、HBR(2008/5)と変わりません。世界の都市化は、今後も続きます。
国連の予想によると、2030年までに世界の全人口の3分の2以上(44億人)が都市生活者になるという。p.110
しかも、その都市の中でも、経済活動はあるエリアに集中しています(下図)
こうした場所をメガ・リージョンとよび、クリエイティブクラスをひきつける力が、あることをさまざまなデータで紹介しています。(データは、著者のサイト参照)
こうした観察は、私の体験と重なります。50カ国を歩いてきた感想は、国の違いはあるけど、都市の違いがなくなりつつあるということでした。ケニアは日本と違うけど、ナイロビにはマクドナルドがあって、ネットカフェがある。グローバル企業は、同じようなものを求めるようになった世界の都市人に向かって、マーケティングを始めてるなと感じてはおりました。
この本を読むと、そのマーケティングをリードするのが、クリエイティブクラスであり、この層をひきつけた地域が、伸びていくんですね。
現在のメガリージョンは、下表の通り。
(Mega-Regions Around the World: 11位以下は、こちらを参照。
http://www.creativeclass.com/rfcgdb/articles/Florida’s%20Future.pdf)
改めて、東京はすごいですね。東京、大阪、九州、札幌を足すと114百万人になり、ほんとかなとは思いますが。
一人当たりLDPに直すと、最高が、札幌の47mil$。なぜか九州が23 mil $というのも、気になります。今をときめく上海が、2 mil $。人口が多いことは、地域の負担でもあるんですね…。
どこに住むべきか考える”Place finder“も収録されています。自分が「Global Bohemian」移行コストがゼロだと仮定して、自分が住むべき場所を考えるのは、楽しいものですね。
では。
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【参考】
・Bohemian Rhapsody (Richard Florida 2005)