森功 講談社 2018/12
他人になりすまし、土地を売ってしまう詐欺の話。あれ、 不動産登記ありますよね?というのは善良な市民。プロは、3Dプリンターで実印を作ってしまうのでありました。しかも、騙されるのは、老人とは限りません。上場企業までも、被害にあっています。
そんな天下の悪人が、なかなか起訴されません。不正取引に関わる、仲介業者、司法書士、弁護士も、「騙された」というと立証は簡単ではないのです。
本書を読めば、気づいても良いポイントはいくつもあるのですが、そこが見過ごされてしまいます。本人は東京生まれなのに、地方の話をしてしまう、なりすまし役の人など。
読み終えると、第三次ブームになっている、背景に希薄になった人間関係と高齢化があるのに気づきます。空き家問題が放置されれば、持ち主を偽る詐欺師が跋扈するわけです。
考えさせられる本でした。