命の値段が高すぎる!
永田 宏 筑摩書房 (2009/7)
小泉医療改革を総括し、医療制度の構造問題を浮き彫りにする書。今の医療保険が、「保険」になっていない現実がよくわかります。40歳前後の方は、後期高齢者医療制度とメタボ健診のリンケージから理解すると、国の医療政策がよくわかるかと。
報道という視点からみると、こうした構造的な問題よりも、地方の病院が閉鎖されたとか、妊婦がたらいまわしにされたという方が報道しやすいですね。しかし、センターピンは、保険として設計されたものが、保険でなくなっているということです。シニアの医療は、短期で終わるものではなく、長期にわたって支出が続くため、保険ではカバーできません。
ホールインワン保険は、たまにしかホールインワンしないので、あの金額で保険がかけられるのであって、毎回ホールインワンするような人に保険がかけられるわけがありません。
民主党が政権をとってひと段落すると、この問題に取り組むことになるでしょう。そのときの反応を分析するためにも、一読をお勧めします。
では。
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