梯 久美子
『散るぞ悲しき』のかけはしさんのインタビュー集。ま、間違いありません。
金子兜太(俳人)、大塚初重(考古学者)、三國連太郎(俳優)、水木しげる(漫画家)、池田武邦([建築家)氏の戦争体験を非常にコンパクトにまとめてあります。
栗林中将のときもそうでしたが、国と個人の関係を考えさせられます。三國さんや水木さんが、過酷な条件の中でも個を確保しようとしたのに対し、池田さんの海軍の話は、国を思う若者の気持ちがグっと入ってきます。
どちらとも事実ですし、私は推測するより他ないのですが、最高に濃密な時間をすごしていたのは伝わってきます。池田さん曰く
マリアナ沖回線からレイテ沖回線まで、約四ヶ月しかありません。それなのに、自分でもわかるほど成長していたんです。仲間の死体が足下に転がり、隣にいた者が撃たれた血しぶきが僕の身体にかかっている。弾も飛んでくる。そんな状態なのに、冷静に記録をとっている。(中略)
ああ人はこんなふうにして成長するんだ━ そう思いましたね。いくら訓練をやっても、生命のかかった実践の経験には及ばないんだと。 p.208
アフガンに行ったときに、同じようなことを感じましたが、戦争をしている国の人と話すときに、現代の日本にいる私は余程注意をしなければと思いました。
では。
では。