佐藤可士和×トップランナー31人
佐藤可士和 集英社 2009/5
『佐藤可士和の超整理術』は白でしたが、今度は黄色。パワーのもらえるインタビュー集です。社会人になってからは、一流の人に会うことで学べといいますが、そういう本です。この31人中、何人の作品を知っているかで、あなたの右脳度がわかろうものです。
目次を見て、右脳を使う人のSocial Setworkは、こうなるのかと、まずうなります。トップ・ランナーのエッセンスは、こちら。
- ビジョンを構築できる
- 自分のセンスを確立する
- クールな客観的視点をもつ
- 研ぎ澄まされた完成と身体感覚
- 前向きで真っすぐな強さ
- 真のオリジナリティ
雑誌『uomo (ウオモ) 』の対談をまとめたものですが、トップ・ランナーの通奏低音を感じることが、左脳なビジネスマンには大切なのだと思います。
トップは、柳井さん。携帯買って、使ってないというのが、すごいですね。以下、印象に残ったコメント
表参道を歩いている人って、昔からテンション揃っているんですよ。(山本宇一※ p.45)
※ロータスやモントークを作ったプロデューサーです。
中村勇吾。このウェブでその人の才能がわかります。
松井龍哉.
メニューを考えるときには、コンセプトを明確にする。コンセプトを考えるときに大切なのは、季節感。 p.82
味付けのセンターピンは、塩加減。フランス三ツ星レストランのシェフの一言。
ある時なべの香りをかいだだけで「塩味が足りないぞ」というんです。
海の駅なおしま ってなんて素敵なんだろうと思っていたんですが、金沢21世紀美術館と同じ建築家の作品だったんですね。
ヨーロッパの建築家は、空間を暑い壁で立ち上げるところからイメージすると思うんです。でも、私は光や風が窓や扉から流れ込むような空間をイメージする。 p.117
日本はツボを抑えて宣伝すれば、面白いようにみんなトレンドにハマる。(中略)でもね、トレンドをガーッと取り入れたかと思うと、パッと捨てて、で、次にいこうぜっていう、そこが日本人のカッコいいところなんですよ。p.156
村上隆
年とともにいろいろなことを経験してくると、ふと自分自身を振り返るようになる。(中略)そういう時に、作家が人生のすべてを賭けてつくった作品に触れると、そのパワーに心を揺さぶられ、溜飲が下がったり、答えが見えてきたりするんでしょうね。p.175
私も、最近はすぐに弾き始めないで、譜面を見て曲をイメージしたり、和音を頭の中で奏でたりする時間を大切にするようになりました。p.186
(イメージが大きいほど、インパクトのある表現ができる)
グラフィックデザインや建築の分野では非常に斬新なものが多く、レベルも高い。でも、プリントメディアにおける広告が弱い。人気タレントに商品持たせて、ロゴを入れて終わりという感じがします。p.189
日本はソニー、ホンダといった技術大国の顔と、任天堂、キティちゃんといった「かわいい文化」の中間部分がごっそりウケ落ち、空洞化している。(中略)
日本には、すばらしい旅館の文化があると思いますが、サービスレベルも非常に高いにもかかわらず、世界的なホテルチェーンやブランドがない。p.190
日本と北欧のデザイン共通項
- シンプルでありながら、機能性が高い
- 木材を大切に扱う(自然とのつながりが強い)
- かわいいものが多い
久々に、熟読してしまいました。
では。
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