目からウロコの幸福学
ダニエル・ネトル, 山岡 万里子訳
2007/3 オープンナレッジ
昔、「しあわせって何だっけ なんだっけ♪」ってコマーシャルがありましたが、本当に何なのでしょうね。
高校の倫理の時間でストア派がでてきた時に、どうしてこんなに「控え目な」考え方ができるのかと思いました。
それから20年。改めてDaniel Nettle教授の本を読むと、なるほど、人は生きるために幸せを求めるのかと合点がいくようになっていました。
たとえば、P.87にお金と幸せについての議論があります。
過去半世紀のあいだ、先進国のひとり当たりの所得は何倍にも増えたのに、幸福度はまったくといっていいほど変わっていません。
また、結婚が幸せの近道というよりも、幸せが結婚の近道だったというデータも示されています(P.96)。
環境が幸せを決めるのかということについても、P.110で一卵性の双子についての話が出ていました。その後の環境が違っても、二人とも同じような幸せの感じ方をするんですね。本書では、このような具体的なデータを豊富に示して、幸せについて様々な誤解を解いてくれます。
一方、P.130では不幸の唯一の強い要因として、神経症的傾向を指摘しています。最近、うつに悩む人が増えてきましたが、こうした指摘は、参考になるのではないでしょうか。
P.180には、
過去20年以上にわたる膨大な調査研究の結果、自己の体験を定期的に文章につづることも、安寧と健康にとって有益であることがわかってきました。
とあります。書くことには癒しがあり、欲望から距離を置くことができるとか。ブロガーの”Well-Being度”を研究したら、面白い結果がでるかもしれません。
では(^^)/^