【本】自民党を壊した男小泉政権1500日の真実 ☆☆

自民党を壊した男小泉政権1500日の真実
自民党を壊した男小泉政権1500日の真実
読売新聞政治部 新潮社 05/06
総選挙もあったので、この本を読んでみました。小泉首相の政権運営について、実に細かく書いてあります。テレビのニュースでは、30秒になってしまうことでも、政権内では相当の調整があることがわかります。民主党が、ここまで仕切れるようになるには、時間がかかるでしょうね。


一方、影の主役として、官僚が出てきます。小泉さんが、何をするかは、官僚との関係をどう変えるかという面があります。経済財政諮問会議が、予算のあり方を変えてしまったことが象徴的ですね。選挙などでは、訴えにくい点ですが、大きな変化だと思いました。
皮肉な見方ですが、新聞社の問題点が、逆に浮き彫りになっている本でもあります。果たして、これほど事細かに議員の行動を記事にする必要があるのでしょうか。言葉は悪いですが、「自民オタクの小泉ブログ」のように思えてしまいます。こうした足を使った取材は、もちろん大切なのですが、それは取材メモにしておき、記事には大きな流れを正面から書くのが普通なのではと感じます。こうした「点」を結びつけて「線」にする。数々のサンプルから流れを導き出す迫力がないですね。むしろ、ここまで細かく知っているということを誇らしげに綴っているようにも思えます。
選挙戦を通じて、議員に「国家観がない」と指摘されてきました。その原因の一旦が、それを放置している新聞にあると言ったら言いすぎでしょうか。

では(^^)/^。