Voice 10月号に大前研一がレポートを書いています。
「人民元に敗北するアメリカ」
今後の人民元の行方について分析しています。ポイントは、以下の通りです。
1.アメリカは、人民元の100%切り上げを要求するだろうが、
中国は、耐え切れる。それは、中国は、世界で唯一国内に
植民地を持っており、安価な労働力によって、内外価格差を
埋めることができる。
2.日本企業は、為替に対する免疫力ができた。
昔は、1円あがると経営会議を開いていたが、
今は、10円振れても、ゴルフを続けている。
3.むしろ、今回のポイントは、中国が為替のバスケット制を採用したことにある。
世界の外貨準備金の比率は、ドルに偏っており、中国がバスケット制を
採用したことで、この比率是正の動きが出て、ドル売りを誘うリスクがある。
4.香港ドルは、据え置かれたまま
人民元が切り上がれば、香港ドルが相対的に安くなる。
もしも、国内が厳しくなれば、香港ドルが流通する経済特区を国内に作れよい。
5.日本が心配すべきなのは、むしろボラティリティ
人民元が上昇した後にフロート制に移行したとすれば、
逆に人民元が暴落するリスクがある。通貨が乱高下すれば、
企業戦略を立てることが難しくなる。
というものでした。ちょっと中長期になりますが、
こうしたリスクは頭の片隅に入れておく必要がありますね。
では。