レーガノミックスとコイズミックス(Koizumics)

選挙で自民党が圧勝したことで、相場は、選挙後の見極めに入っています。
koizumics
小泉さんが、レーガンになれるのか?という視点でチェックをしてみましょう。


I.レーガノミックス
レーガノミックスの主な施策は、緊縮財政、金融引き締め、規制緩和、軍事費拡大でした。
1.財政政策:
 イ)意図→緊縮
   歳出削減、大幅減税で「小さな政府」
 ロ)結果→拡大
   軍事費が、国家予算の27%にまで拡大(現在は16%)。

2.金融政策:緊縮
 マネーサプライ管理。インフレ抑制。
 
3.為替政策
 イ)意図→中立
 ロ)結果→財政赤字拡大+金融引き締め→金利高騰→ドル高
      アメリカ企業は、強烈なリストラに入る。
 ハ)85年にプラザ合意で、ドル安誘導。

4.規制緩和
 イ)州政府への大幅権限委譲
 ロ)運輸、金融、エネルギー産業への新規参入等

5.国防増強
 国防費増加→財政赤字拡大→ソ連崩壊→平和の配当
→財政黒字化→小さな政府達成。

?.コイズミクス(Koizumics)
小泉さんの政策と比較してみましょう。
1.財政政策
 方向としては、小さな政府を目指しているのですが、減税ではなく、増税の気配があります。また、歳出削減も切り込み方が甘いままです。
2.金融政策
 これは、インフレ下のレーガン政権と反対で、デフレ下ですので、超緩和状態が続いています。
3.為替政策
 中立。
4.規制緩和
 道路公団、郵政公社などの民営化に取り組んでいますが、結果がでるまでの時間が、かなりかかりそうです。
5.軍事費
 言動は右よりですが、実際の軍事費は、それほど増やしていません。東アジアでの「冷戦」が終わり、「平和の配当」が享受できるのは、先になりそうです。

 というわけで、レーガノミクスと比較すると、コイズミクスは、似ているようで、背景とスピードが違いますね。背景はデフレですし、スピードは小泉さんがまだ緩慢のように思います。
 また、レーガノミクスでも、80年代に打った政策が90年代に花開いているのですから、日本人がコイズミクスに感謝するのは、相当先になると思います。こうした時間軸を投資家は忘れるべきでないでしょう。

 今後の視点としては、A)財政政策(増税せずに、いかに歳出を減らすことができるか)とB)規制緩和(民間のリストラを通じた競争促進)を06年3月までに見極めるというところでしょうか。

 もしも、増税+年金保険料引き上げで、公務員削減が骨抜きになれば、大きな政府そのもので、国債発行もとまらずインフレに誘導するのであれば、それは、もはやレーガノミックスとは言えなくなりますね。

では。(^^)/^
 

参考
1.レーガノミックス再評価
http://www.iti.or.jp/kiho44/44kiuchi.pdf