【本】還暦後の40年

還暦後の40年  長澤 光太郎 平凡社 2023/2

 本をいただきました。

 私も、磯野波平と同じ年(54)になり、還暦が見えてきました。本書は、還暦が社会人生活の折り返し地点に過ぎないことを教えてくれます。かつては、60歳まで生きたら、「長生きできて良かったね」のお祝いをしたと思うのですが、人生100年時代は、「後半戦も頑張ってね」になるわけです。

 いまでも五十肩でシンドイのに、それが40年も続くのか?という話ばかりではありません。90歳までは、健康的な暮らしが続く見通しを示しています。

いま還暦前後の人は、90歳の時点で、現在の70歳台半ばの体力を保持している可能性が高い。

p.7

 食事、運動、医学の進歩が、健康的に生きる時間を伸ばしていることを説明してくれています。松田聖子が、還暦×ヒラヒラ衣装でステージに上るのを見ると、「そうなのかも」と思ってしまいます。

「健康寿命」をすぎても、日常生活にほとんど支障がなく、80歳を超えて暮らすことができる。

p.9

  他人に頼っての生活になるのは、およそ死ぬ前の2年なのだとか。

  読み終えると、経済的な不安というよりも、健康への投資が重要なのがわかります。目や歯が悪いまま40年を過ごすのは辛そうだというのは、言わずもがなですし。

 私のように趣味が一人で完結しない場合、友達も大事ですね。最近旅先で旧友と飲むことが増えてきましたが、これはキープしていきたいところです。

 最近の人工知能の発達をみていると、自分もアバターになったり、AIが作ったコンテンツと過ごす時間も増えてくるでしょう。最近は、エコノミーで14時間も飛行機に乗るのが辛くなってきましたが、その代わりにサイバー空間を旅するようになるんでしょうね。コンピューティングは、引き続き注力。

 こう考えてくると、40歳までに、がむしゃらに働くのは良いとして、健康を害してまで、友達を無くしてまでやるダメージが実は大きいのに気づきます。GMO熊谷会長の「人生ピラミッド」でいうところの、6要素のバランスが、かつてないほどに大切になってきているのではないでしょうか。

 では。