日銀が新体制になりました。政策に大きな変更はないようです。
いわゆる「Punchbowl」は、まだ出しっぱなしにしておくということのようです。
世界の債務を確認してみました。前回の金融危機の引き金は個人部門の債務でした。金融緩和がサブプライムローンを膨らませ、2007年の個人部門の債務はGDPの101%まで膨張。そこでリーマンショックが起こりました。個人の債務はそこが歴代ピークで、いまは80%台です。
民間企業も借り入れを減らしたかと思いきや、むしろ、その後15年は増えていったのですね。2020年はGDPの153%と過去最大になりました。
日本政府を見ていると、政府の債務が一番膨張したように思っていましたが、2007年ではGDPの64%。1950年が83%だったことを思えば、それほど大きくはありませんでした。それがコロナもあって、2020年には134%まで増えました。3部門合わせた借り入れはGDPの350%を超えました。
リーマンショックのときには、個人が住宅ローンを返せずに破綻。金融機関も破綻した結果、政府に債務が移転しました。15年かけて、政府の債務が縮小していたらよかったのですが、むしろ悪化しています。
いま起こっている金融危機は、この民間部門の債務が縮小する過程なのだと思います。シリコンバレーでいえば、ベンチャー企業が資金繰りがつかずに破綻。日本でいえば、コロナ補助金で生き延びていたような企業が整理される局面なのだと思います。昔から繰り返されたパターンで、いくつかの金融機関が破綻し、政府の救済があるでしょう。
問題は、今回も政府が救済できるかということですね。もしも、銀行を救済するまえに、地方自治体が破綻するようなことになったら、金融機関の救済どころの話ではなくなります。難しいのは、「99%ならOKで、101%ならダメ」 というようなものでないことです。あるところまでは、いつもと同じ日常が続き、突然、破綻がやってくるのでしょう。
日本以外の先進国では、パンチボールが片付けられてしまいましたが、日本の飲み放題は続きます。