民主主義だと経済成長が鈍化するというわけでもないとは思ったのですが、格差を是正する力はあるのでしょうか。
縦軸に経済成長率の代わりにジニ指数を取ってみました。
平等核家族 | 絶対核家族(黄色) |
共同体家族 | 直系家族 |
決定係数0.31なので、どうとも言えないですね。
家族類型別に色付けしてみました→。
絶対核家族のアメリカの格差は、大きいですけど、中国とハッキリとした差があるわけではないですね。逆に同じ絶対核家族(平等より自由を重んじる)なのに、オランダが低いのが印象的です。オランダ人を見ていると、アメリカ人同様、自由を謳歌しているのがよくわかるのですが、格差が広がらないようにいろいろ工夫してきたのがわかります。きっと、干拓を通じて運河沿いの運命共同体意識が醸成されたのだと思います。
直系家族ももっと差があってもおかしくないのに、低いですね。トッドに言わせれば、「西洋の国であるふりをしてきた」結果なのかもしれません。
共同体家族は権威を認める代わりに結果の平等(社会主義、イスラム主義)を求めるわけですが、この分析では特徴がつかめません。インドのように選挙ちゃんとやる国もあれば、サウジのように王族が支配するところまでありますので。
平等核家族こそ民主主義を生み出し、結果の平等にこだわるひとたちなのですが、メキシコとブラジルの格差が大きいですね。
フランスとメキシコは、まだ下がってきているのに対し、ブラジルは高いままですね。これは別要因があるのかと。
ちなみに、ブラジルを除くと決定係数が0.51に上がります。
民主主義は格差拡大にブレーキをかけて資本主義を延命させてきたというのは、いまだにそのとおりなのではないかと。アメリカがオランダに学ばず、ブラジル化すると、たしかに覇権は交代してしまいそうです。
では。