フレデリック・ラルー 英治出版 2018/1
Reinventing Organizations: A Guide to Creating Organizations Inspired by the Next Stage of Human Consciousness (2014) by Frederic Laloux
マッキンゼー出身のコンサルタントによる組織論。
組織の発達段階については、巻頭の日本語版付録参照。
解説は、こちらがわかりやすかったです。
https://nol-blog.com/what_is_teal_organization/
ティール組織とは、変化の激しい時代における生命体のような組織として描かれています。
冒頭、人間には3つの脳があるという話しから。我々は、頭がひとつの階層的な世界観に引きづられていると語っています。p.10 組織も、「多脳」な形があり得ると。
ティール組織は、組織が社長や株主のものではなく、目的のために進化を続けるひとつの生命体と例えられています。その特徴は、自主経営(セルフ・マネジメント)、全体性(ホールネス)、存在目的を重視する慣行。ティール組織には指示系統がなく、各々が自分たちのルールや仕組みを理解しながら意思決定をしていきます。その事例は、p.93以降。
Buurtzorg(ビュートゾルフ)の事例はこちらのページ参照。https://seleck.cc/1164
7千人の看護師に対して人事部門がない。p.118 社内SNSが、「誰に聞いたらいいか」を教えてくれています。
こうした組織は、サービス業に限りません。金属部品メーカーのFAVIの事例は、p.122。
設立 1957年
本社 Hallencourt(フランス)
事業 自動車金属部品製造
従業員 400名
ミーティングは最小単位のチームによるものだけ。
- シフトが交代する際の短い技術的な話し合い
- 注文に関する顧客担当マネジャーとのミーティング(毎週)
- あらゆることを議論するミーティング(毎月)
これだけで、あとは本社部門不要なんですね。ちょっと想像できません。
かように、自主経営が貫かれているのですが、達成型(オレンジ)と進化形(ティール)の比較表は、p.235。(参照:http://kshimizu.hatenadiary.jp/entry/2018/03/10/105613)
予算の仕組みは、p.352。会社経営を「自転車に乗る」(Dynamic Steering)ことに例えて、進化型組織の在り方を説明しています。
取り上げられている組織は、こんな感じ。
欧米中心ですが、家族類型別にみて、どの組織形態がフィットするのかは、興味があります。
第4章は成果。自分の活動する環境によって潜在力が発揮されるか決まってしまうという例としてペンギンを挙げていました。
ペンギンがひとたび陸地から水に飛び込むと事情は一変する。泳ぐために生まれてきたかのように、水中でのスピードは速く、敏捷で、とても楽しそうだ。そして一リットルのガソリン分のエネルギーで2000キロも泳げてしまう。人のつくった機械でこれほどエネルギー効率の高いものはない。p.474
私たちは、自分の潜在力を発揮する組織(形態)にいますかね。
では。
参考
https://mirai.doda.jp/theme/essence/teal/