国家の「老化」といかに向き合うべきか

週刊文春 2016年 4/28 号

国家の「老化」といかに向き合うべきか
池上彰、エマニュエル・トッド
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/6086
http://ch.nicovideo.jp/shukanbunshun/blomaga/ar1012555

パリ、ベルギーともに実行犯に兄弟がいることです。北アフリカ・アラブ系移民の家族の連帯の基礎単位は兄弟にありますが、その連帯がテロなどの犯罪行為に向いてしまっていることに、悲劇があるように思います。p.42


アメリカに大統領選挙に対する考察が興味深いです。

ひとつは、エスタブリッシュメントへの反抗。ふたりとも、それぞれ立候補した党にこれまで属していたわけではなく、大統領候補になるために入党しましたから、従来の党首脳たちの考え方と異なっています p.45

累進課税、積極財政、保護貿易、学費免除などを訴えていることから、アメリカ社会が転換点に来ている述べています。

かつて国家介入に反対していたアメリカは、1930年台には、ニューディール政策を行います。その後1980年代には、新自由主義が席巻。いままた、国家の役割が見直されつつある。

このような大きな揺れ動きは、アングロサクソンの絶対核家族の構造に起因していると考えられます。(中略)アメリカでは親子は自由な関係であり、子どもがまったく新しいことをはじめるわけです。だから、世代ごとに大きく変る傾向がある。p.46

アメリカの世論調査について、

若者に顕著に表れているのが、国家に対して好意的な評価が高まってきていること。そして、宗教への関心が低下していることです。(中略)ネオリベラリズムの動きが高まっていたときには、宗教への関心は並行して高まっていました。(中略)アメリカがヨーロッパや日本のような社会に近づいてきているのだといえます。p.46

選挙分析も、歴史的な変化を見なければ、見誤りますね。

では。