ChatGPTとマイナー言語

ChatGPTが便利だなと思うことの一つに、マイナー言語の学習があります。たとえば、オランダ語を母語とする人は、1700万人しかいません。言語の中では世界42位。辞書や学習教材も、英語ほど豊富ではありません。欧州言語なのでまだマシな方で、Google翻訳では出てきます。しかし、これまでは、こまかな文法を調べようとするとうまく調べられませんでした。

ところが、ChatGPTに文法を答えると、(ときどきおかしな回答はありますが)かなり細かなことまで教えてくれます。たとえば、形容詞の限定用法でオランダ語は-eで終わったり、eがつかなかったりします。その違いは何かをネットで調べてもなかなか調べられませんでした。Geminiに聞いた回答は以下の通り。

オランダ語形容詞の限定用法:e の有無比較表

修飾される名詞の性e を付ける場合e を付けない場合例文日本語訳
男性単数×de grote man大きな男
女性単数×de rode auto赤い車
中性単数×het kleine kind小さな子供
男性複数×de hoge bomen高い木々
女性複数×de mooie bloemen美しい花々
中性複数×de nieuwe boeken新しい本

ポイント

  • 限定用法では、形容詞は名詞の前に置かれます。
  • e を付けるかどうかは、名詞の性と数によって決まります。
  • 上記の表を参考に、形容詞の正しい形を選びましょう。

補足

  • 中性単数不定形は、e を付けない形です。
  • 形容詞が複合形容詞の場合は、最後の形容詞にのみ e を付けます。例:de groene auto (緑色の車)
  • 一部の形容詞は、限定用法でも e を付けない例外があります。例:een goede vriend (良い友達)

ここまで丁寧に日本語で説明してくれる教科書も、おそらくなかったのではないでしょうか。LLMにとっては、ネットで学習できる言語であれば、メジャーであろうとマイナーであろうと大きな差がないのがわかります。

Google翻訳が使えないようなマイナーな言葉はどうでしょうか。たとえば中国の方言で1~10を調べてみました。

中国語の場合、方言といっても、英語とドイツ語ほどの違いがあります。上海、厦門、台湾、客家の発音を聞いた所、Geminiはすぐに答えてくれました。

東アジアは音が似ているのがわかりますね。日本語は、北京というよりも、中国南部の音に近いのもわかります。

なんか、外国語大学の存在意義が薄れてしまいそうですが、マイナー言語を学ぶ人には朗報だと思いました。

では。