いままで、世界210都市を周り、いろんな鉄道に乗ってきました。今回は、ベスト10をお話します。
No.1は、南アフリカのSouthern 線。ヨハネスブルグで強盗に襲われ、一人旅史上最高に落ち込んでいた私は、ケープタウンから希望岬に行く時に乗りました。車両はボロボロでスピードも60km/h ぐらいだったと思いますが、列車って窓を開けて風を受けながら乗るのが最高なのでして、突然広がる美しい海岸線に心打たれてしまいました。
単線で、途中駅で待ち合わせ停車するのですが、海がきれいなので、待合時間が全く気になりませんでした。江ノ電にちょっと近いですかね。
2位はシベリア鉄道。ご存知、世界最長路線。私はウランバートルからモスクワまで乗りました。4日間ずっと列車に乗っていると、地球の大きさを実感できます。飛行機でモスクワに行ったら、ロシアを誤解します。
3位は、ペルーのクスコからマチュピチュ行の列車。多分に遺跡の素晴らしさに影響されてますが、遺跡って、そこに行くまでにちょっと苦労しないとアリガタミが半減します。建造物だけでいえば、エジプトのピラミッドが他を圧倒しているのですが、市街地から見えてしまうほど大きいので、いつでも見れるように思えます。マチュピチュの列車は、4時間という時間もちょうどよく、川沿いに走る景色も素晴らしかったです。
4位は、ニュージーランドのウェリントンからアッパーハット行の列車。これはなんてこと無い通勤電車でしたが、右側に展開するウェリントン湾が素晴らしかったです。
イギリス人は、鉄道造るのはうまいですね。島国なので、狭い海岸線に狭軌の鉄道を通すセンスは抜群です。中国やロシアはLand Powerなので、植民地の「面」を抑えるんですね。なので、鉄道も標準軌で大陸を爆走する仕様になっています。
一方、イギリスはSea Powerなので、「点」=港 を抑えます。南アフリカはケープタウン。インドはムンバイ。マレーシアはペナン。シンガポール。中国は香港。ニュージーランドはウェリントン。日本でいうと横浜、神戸、長崎。こういう良港は、水深が深い=すぐ山になります。鉄道は海岸線を這うように敷設しないといけないのですが、乗ったときに抜群の景色になるようにしてあります。そして、教会、ゴルフ場、乗馬場を造る(笑)。
なので、世界にいろんな良い鉄道があるのですが、標準軌の列車はどうも、私の身体にフィットしないんですね。狭軌の華奢な列車の旅に共振します。
第5位は、タンザン鉄道。列車がサファリを通過し、ライオンが見れました。
第6位は、ミヤンマーのヤンゴンからバガンに行く寝台列車。日本が作ったレールをその当時まで使っていて、線路が歪んだままなので、横になってもときどき身体が浮き上がりました。
第7位は、1991年にインドに行った時に、ニューデリーからアグラ行の列車。列車に牛(神様)が乗ってくるのはインドだけでしょう。
第8位は、1990年に中国に行った時に乗った瀋大線。標準軌の大きな客車で、普通車でも車掌さんがお湯をポットで持ってきてくれました。
第9位は、ユーロスター。先日初めて乗りましたが、良かったです。まず、ロンドン駅で出入国審査があります。Brexitの前はそれもなかったんですけどね。
英仏海峡トンネルも感慨深いです。海底部の総距離では世界一。あんなに苦労して「陸続き」にしたのに、Brexitすんなよと、ひとりで突っ込んでました。
フランスに上陸すると、美しい平地が広がります。ノルマンディーに上陸するのにあれほど苦労したのに、いまは21分でドーバー海峡通過できます。
最高時速320km/hも出るのに、ベルギーに入ったら、時速60kmぐらいで在来線の線路をノロノロ走ります。ベルギーのお国柄がわかる走行。
それが、オランダ語が通じるアントワープに近づいたらまた鬼のように速くなります。プロテスタント文化を実感。
第10位は、スコット鉄道。グラスゴーからマンチェスターまで乗りました。スコットランド訛が激しくて、まったく「英語」が聞き取れないなと思っていたら、突然車両が日立。日本人なら乗ればわかる懐かしさ。イングランドのひどい地下鉄に我慢していたら、突然、スコットランドで最新車両に出会える不思議さ。それをアレンジしたのは、運営権を獲得したオランダ国鉄だという不思議さも加わってTop10入りです。
いわゆるオリエント急行的なお金持ちが乗る特急ではないランキングですが、私がまだ乗ってないオススメ列車があったら教えてください。