2年ぶりに飛行機に乗りました。旅行に人生を賭けていた私がこれほど身動きできないことになろうとは。ただ、待った甲斐があり、ローマは、私の行った先ランキングで5位に入る面白さでした。これから衰退してく日本が学ぶべき国の一つだと確信しました。
イタリアが観光客受け入れを再開したのが5月、EUワクチンパスポートが有効になったのが、この7月から。運用に不安がありましたが、イタリア入国はスムーズでした。EU Digital Passenger Locator Form (dPLF)さえ記入できていれば、通常のフライトと変わりありません。ローマ空港での入国審査はなし。検疫、税関もなし。拍子抜けするほどです。
疫病には、技術で立ち向かうのが王道であり、欧州はそれを成し遂げました。
コロナ後に改めて実感するのが、EUの偉業。お金を下ろすことも、両替することもなく旅行がスタートできる。オランダで使っているスマホを追加料金なしでそのままイタリアでも使えます。ただ、空港はまだガラガラ。2019年に64百万人まで増えた海外からの旅行客は2020年には16百万に激減。まだ、その傷は癒えません。
https://www.ceicdata.com/en/indicator/italy/visitor-arrivals
ローマ駅行のバスは、満員になるまで30分ほど待ちました。料金もものの本には6.5€と書いてあったのですが、8ユーロになっていました。以下同様で、ほとんどの費用が、値上がりしていました。この1年は景気後退で物価上昇圧力がなかったにもかかわらずです。このあたりの物価の下方硬直性は、日本にいるとピンと来ないのではないでしょうか。
バカンス・シーズンに入ったため、観光地は人であふれていました。ただし、EU外(特にアジア人)はほとんどいません。空港の看板は、イタリア語、英語、中国語で書かれているのですが、その中国人がいないのです。これは本当に大きな変化で、2020年代の欧州の対中観がそれまでとは違うことを象徴していると思いました。