ニューヨーク・タイムズに、ボルカー元FRB議長の追悼記事が掲載されていました。”A legacy that leapfrogs economics”
https://www.nytimes.com/2019/12/08/obituaries/caroll-spinney-dead.html
今年は、元号が変わったこともあり、この30年間を振り返ることが多かったのですが、この記事も私の人生を振り返らせてくれました。なぜか、私は2度お目にかかっています。
1度目は、1989年。私が21歳。 アメリカの消費者物価指数上昇率が4.8%でした。 ニューヨークで開催された国際会議のスピーカーとして話をしてくれました。当時英語が全く聞き取れず、デカい人だなぁとしか覚えていません。振り返れば、議長は、アメリカのインフレを退治して、グリーンスパンに引き継ぎ、その歪として、日本の超低金利が続いていたときでした。日本の国威は、戦後最大になっていたときで、私も自信に満ちあふれていました。
2度目は、1999年。私が30歳。CPIは、2.2%に下がっていました。勤め先の銀行が破綻して、アメリカに留学先を探しているときでした。ボルカー教授が、ニューヨーク大学で教えており、彼の講義を聴講しました。「今日は日本からお客さんが来ているから彼の意見を聞いてみよう」と言われたのですが、このときも、スベってしまいました。
私はニューヨークに2度しか行ったことがないのですが、2度とも、ボルカー氏に会ったことになります。しかも、それが私の人生の得意の絶頂と、失意のどん底というめぐり合わせ。半世紀も生きているとこういうこともありますね。
前述の記事は、次のように締めくくられています。
His life is a testament to what dedicated public servants can do when they put their heads down, and are guided not by how things worked in the past, or how they might wish them to be, but by the world as it is. the right answer isn’t always the most popular.
Post Facebookの世界政治を言い当てているようなコメント。
ご冥福をお祈りします。