日本はオランダを笑えなくなってきました。オランダの連立政権交渉は長いので有名です。2021年の選挙では、首班指名に299日かかりました。比例代表制で少数政党が多いという理由もありますが、徹底的な議論を厭わないという国民性があると思います。
オランダから学ぶことがあるとすれば以下のようなことでしょう。
- 政府はちゃんと機能するようにしておく
- 石破首相いわく、「国政は一瞬たりとも停滞が許されない」のだそうですが、オランダでは政府ができるまでの10ヶ月、国政が停滞しませんでした(笑)。政治家が仕事をしなくても、官僚がしっかり仕事をする。新政府ができるまで、国務大臣はしっかりと仕事をし続ける。当時はおかしな話だなと思っていましたが、日本の今の政治状況を見ると、民主主義国家の知恵ではないかと思えてきました。
- 最大の得票を得た政党が連立をリードする
- 日本は自公が過半数割れしたので政権を明け渡すべきな気がするかもしれません。しかし、オランダでは最大の得票を得た政党が連立作りを主導し首相を出しています。考えてみれば、それが民主主義だとは思いました。
- 連立づくりの交渉こそ政治家の仕事
- 自然にまかせていたらいつまでも解決しない問題を有権者の声を聞きながら落とし所を探るのが政治家の仕事。連立政権の交渉はそれが「可視化」される場所だと思いました。オランダの2024年選挙で最大の得票を得たのは極右政党です。日本でいえば、保守党が連立の交渉をリードするようなものでした。
ただ、ここでも、知恵を働かせて、自由党党首のウィルダー氏は首相になりませんでした。あまりに過激な発言がメディアで伝わってしまっており、とても中道政党が組める相手でなかったのです。
- 自然にまかせていたらいつまでも解決しない問題を有権者の声を聞きながら落とし所を探るのが政治家の仕事。連立政権の交渉はそれが「可視化」される場所だと思いました。オランダの2024年選挙で最大の得票を得たのは極右政党です。日本でいえば、保守党が連立の交渉をリードするようなものでした。
連立政権交渉6ヶ月ぶりやっと合意に | ポートフォリオ・オランダニュース
総選挙から6ヶ月。自由党(PVV)、自由民主党(VVD)、新社会契約党(NSC)そして農民市民運動党(BBB)
現在のオランダ政府に参画している政党は以下の通りです
- 自由党(PVV): 極右政党で、最近の選挙で最も多くの議席を獲得しました。
- 自由民主国民党(VVD): 中道右派のリベラル政党で、連立政権の一員です。
- 新社会契約(NSC): 中道の新興政党で、連立に参加しています。
- 農民市民運動(BBB): 農業政策を重視する政党で、連立政権に加わっています
日本の新聞なら、野合と批判するでしょうね。しかし、本来の民主主義は、Aという政党が嫌いだからBに投票するのではなく、Cという政党のDという政策が素晴らしいから投票するのでしょうね。政権の形は見通せませんが、Dという政策が実現されるのであれば、良しとするのが本来の選挙なのかなと思うようになりました。