最近こういう記事よくみかけます。
米国は「格差社会」どころか「総貧困社会」に? 多くの国民は既に景気後退の痛みを感じている | デイリー新潮
米国経済のハードランディング(景気の急激な失速)懸念が強まっている。…
アメリカの格差は広がっているとは思いますが、日本人が、高みの見物的に論評するのはどうかと思います。
1990年の日米の数字を2020年と比較してみました。
驚くのが、この30年でアメリカの人口が88百万人増えたことです。日本がもう一つ増えたようなもので、増加の要因の一つが移民の受け入れでしょう。トランプ大統領の移民制限のイメージにとらわれがちですが、主に途上国からこれほど多くの人を受け入れたのは、世界に対する貢献ではないでしょうか。
移民の第一世代が最初から成功できるわけではないのは、分かる話です。数千万人を受け入れて、彼らが低所得からアメリカでの生活を始めた。それをジニ係数とかで測ると格差が広がったことになるでしょう。日本が数千万人の外国人を受け入れて、ジニ係数を保ったら、それこそファインプレイではないでしょうか。
しかも、そんなハンデがありながら、GDPも一人あたりGDPも増えていることです。これは、アメリカが、移民を受け入れることで、若さを保っているからでしょう。扶養比率(dependency ratio)をみても、アメリカはほとんど変わっていません。日本は、30年で27.5%ポイントも悪化してますね。無策だったと言われてもしかたないでしょう。
せっかく、アメリカを分析するのであれば、こういうハンデも含めて、議論するといいと思いました。