エリザベス女王の国葬を見ました。日本の大喪の儀が神社の儀式だとすれば、イギリスの国葬は軍隊の儀式でした。戦争とともにあった欧州の王室の厳しい現実を学びました。
大喪の儀は、参加者全員黒ずくめですが、英国王室は軍服を着ていました。アン王女が、実際に軍の司令官だったことがあるのも知りました。女性皇族が軍服を来て、儀式に参加するなど想像もできません。
参列した各国のVIPを見て、チャーチル戦時執務室を思い出しました。チャーチル首相は第二次世界大戦の間、驚くべき頻度で外遊しています。当時の飛行機(B24)には、ベッドの代わりに棚が設けられていただけで、暖房もなく、高度1万2千フィートを超えると酸素マスクを使用する必要がありました。それでも、同盟の団結を高めるために、文字通り命を削って、各国を往訪しました。
右図は、日本をEUに重ねたものです。EUの面積は437万k㎡。日本より広いのですが、日本の領海+排他的経済水域は447万k㎡。この広さのところに、日本では1つの国しかありませんが、欧州には28カ国がひしめいています。
イギリスは、近代戦争に負けたことがありませんが、そのひとつの理由は、卓越した外交でしょう。
BBCは、英国民がいざとなれば、国王の元、一致団結して戦うこと。世界最高レベルの同盟を築き上げる力があることを示しました。
今回の国葬で最もプレッシャーを受けたのは、プーチン大統領ではないでしょうか。英国と戦争をするというのは、容易なことではないと。