ワールドカップと家族類型

 素晴らしい決勝戦でしたね。

エラー|NHK NEWS WEB

 ゴールデンタイムにこんな試合を見れる欧州は幸せだと思いました。

正確にはイングランドですが、データを比較するためにイギリスと表記。

 ベスト8に進出した国をみると、あらためて不平等だなと思いました。人口の一番少ないクロアチアはわずか4百万人。ブラジル(215百万人)の52分の1です。クロアチアに一人の天才(モドリッチ?)がブラジルには52人いてもおかしくありません(確率上)

 一人当たりGDPでみれば、モロッコは3.8千ドル。オランダ(58.3千ドル)の15分の1ですね。ナショナルチームにかけられるお金も桁が違うはずです。

 ボクシングや柔道は体重で平等な競技ができるようにしていますが、ワールドカップ・サッカーは調整なし。それが不公平だという声は出ないですね。国という単位で戦うのは人類共通の価値観なのでしょうか。というか、コミュニティのために命がけで戦える単位が、国なのかもしれません。

 家族類型でいうと、平等核家族が活躍した大会だったと思います。モロッコはイスラム圏なので、共同体家族ですが、スペインの対面ですので、影響は受けていると思います。

 インフレ率が80%で一人当たりGDPが13.7千ドルのアルゼンチンがなぜ世界最強なのか。無理やり仮説を立てれば、以下の2つになろうかと。

 ひとつは、マルチナショナルなチームが作れること。平等核家族は親子も兄弟も平等。一人=1票を本当に信じている人たちです。たとえ出生国が外国でも、同じ価値観を共有しているなら平等に扱います。ローマ帝国が、支配国の人民に市民権を与えたのが典型です。

 日本人がフランス・チームをみたら、「フランス人」がいないと思うかもしれません。アフリカからの移民も平等に扱い(ま、事件は毎日起きてますが)、国際結婚/混血も進むのがフランスなのです。

 この真逆が直系家族。親が子供より偉く、長男がほかの兄弟より偉いという。日本やドイツがこれにあたります。血筋を大切にしますので、どうしても、「ヨソの人」を排斥しがちです。ナショナルチームに外国生まれの選手を加えるのは遅れますね。

 もう一つが、サッカーの平等性。11人が平等に活躍しないと勝てないスポーツなのではないでしょうか。たとえば野球なら、大谷選手が、キャプテン、ピッチャー、4番でも、勝ててしまうかもしれません。

 サッカーは、それぞれのポジションが、戦略を等しく理解し、一丸となって戦わないと勝てないのではないでしょうか。この時、年上だからとか、キャプテンだからとか遠慮していては、間に合いません。無意識レベルで、ピッチの一人ひとりの選手は平等(当たり前だろ!)と思える、平等核家族のチームが、うまく機能するのでは?と思いました。

 海外展開されている日系企業のみなさんは、ワールドカップを振り返りながら、自社の海外戦略をレビューしてみてはどうでしょうか。

では。