波頭 亮、冨山 和彦 東洋経済新報社 2011/5
7年前の本ですが、企業経営の変化を的確に捉えていて参考になりました。
波頭さんのまえがきにかえてには、トップマネジメントの仕事が高度化・複雑化したため、経営が難しくなったこと。
コンサル業界では純粋な戦略案件は少なくなっており、戦略立案することよりも、それをエグゼキューション(実行、実現)することに意味がでてきたことに触れています。p.2
日本の会社は、組織能力は高いけどヘッドクォーターはいまひとつ、というモデルでしたよね。それで通用したのは、戦略的なところで競わなければいけないあいてがあまりいなかったから。(中略) 別に日本の会社と同じ競技種目で金メダルを取ろうとしなくても、もっと効率的に金メダルを取れる種目があったらそっちに行くのが米国です。p.19
昔だったら絶対に欧米企業はやらなかったし、できなかったはずのことを、サムスンは兵器でやっちょうし、フォックスコンもやっちゃう。p.20
日本は、組立が強かったのに、ロボットによる自動化が進み、投資計画と資本力勝負の設備産業になってしまった。p.21
経営力に必要な要素は
- Strategy
- Organization
- Leadership
- Vision
- Execution
会社の3要素は、p.34
- 利潤の追求
- バリューの創出
- 組織による活動
これが矛盾します。経営のパラドックス。
組織の本能が求めるのは、自己増殖と変化の排除です。 (中略)
会社は、資本の本能と組織の本能が二重螺旋のように絡んで動いていく。資本の本能が環境に合わせて事業分野や戦略スタイルを変えようと志向する。しかし、新しいことはやりたくないとする組織の本能が障害になるという中で、舵取りをするのが経営 p.35
現場を巻き込むこと(involvement) と次世代リーダーの育成が、2011年では重要でした。
では。