【本】東大から刑務所へ

東大から刑務所へ

井川意高 幻冬舎新書 2017/9

私も、ご厄介になる場合に備えてと、読みましたが、実は、現代日本の社会構造を活写している本でした。表題は、奇しくも支配する側と支配される側の象徴的な場所になっています。そこを行き来した2人が話しをすると、今の日本を良しとする人と、そうでない人の対比がよくわかります。

たとえば、メディアは、国によって政府との距離感が異なります。堀江さんは、その距離感が読まない人でした。そういう人が、メディアに入ろうとした時に、現状を良しとしている人たちが誰なのかよくわかりました。

井川さんは、厚生労働省元局長・村木厚子の件で傷ついた検察の「リハビリ案件」と告げられています。p..66

こういう構造は、戦争でシャッフルされるのですが、太平洋戦争敗戦でも土台部分は残りました。明治から150年続くと、さすがに制度疲労が出てきますね。これも平和のコストとして受け入れるのか。あるいは、他国のようにNoが突きつけられるのか。考える一冊でした。