【本】人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?

山本 一成 ダイヤモンド社 2017/5

2017年4月、将棋名人に勝利した「ポナンザ」の開発者が語る人工知能論。面白かったです。将棋の前にAlphaGoが囲碁の名人に勝利していました。囲碁棋士・大橋拓文氏の言葉

「科学が宗教になる瞬間を見た」

p.165

勝利の日から、我々は、AlphaGoを「先生」と呼ぶようになります。

一方、人工知能を知ることは、人間の知能を知ることでもあります。

人間は、あらゆることに意味を感じ、物語を読み取ろうとします。この能力=知性によって人工知能にもまなぶパフォーマンスを出すこともありますが、それは意味や物語から離れることができないという制約にもなっています。
一方、人工知能は、意味や物語から自由なために人間を超えることができますが、目的を設計するという知性を持つことはできません。

p.181

ディープラーニングについて、興味深い記述は、p.202あたり。実は、最近まで、将棋にディープラーニングはうまくいっていませんでした。

とくに凝ったことをせずにディープラーニングにすべてを任せるようにしたことがポイントでした。

将棋は、合法手が変化するため、それをコンピュータに教えるのが大変だったのですが、教えるよりも、場面ごとの最良手を学ばせたほうがよかったのですね。

人類は何をすべきなのか。

人間に残されたのは、言葉と論理しかないんじゃないかな 

p.283

では。