【本】米中もし戦わば

米中もし戦わば

ピーター ・ナヴァロ 文藝春秋  2016/11

米国家通商会議代表による、中国の軍事力分析。アジア地域の地政学が良くわかります。北朝鮮のミサイルが大きく報じられていますが、本丸は、2つの覇権国のパワーバランスですね。

冒頭は、トゥキディデスの言葉。

戦争を避けがたくした原因は、アテネの勃興及びそれがスパルタに引き起こした恐怖心であった。p.12

新興国が大国に挑む時、何が起こるのか。p.13

1500年以降、中国のような新興勢力がアメリカのような既存の大国に対峙した15例のうち11例において戦争が起きている。

中国が海洋に出てこざるを得ない原因についても、分析しています。経済が成長して資源輸入国になった中国は、海路で資源を運ばなけれならず、そこにいるのが米軍なのですね。

今も、空母が3隻集結しているとかニュースになっていますが、貧者には貧者の戦い方があります。たとえば、機雷。

 第二次大戦の最後の半年間に機雷によって沈没した、あるいはダメージを被った日本の船舶の総トン数(100万トン以上)は、潜水艦や鑑定の砲撃や空爆などその他の原因によるものの合計よりも大きかった。

しかも、中国は、経済力をつけ、もっと高い兵器も量産できるようになっています。たとえば、空母キラーと呼ばれるミサイル。p.59

中国は5大核保有国の中で唯一、核兵器の備蓄を増やしている。p.65

非常に内容の濃い本で、全てを深く読む時間はありませんでしたが、米中の緊張感の高まりは十分に伝わってきました。